研究課題
昨年度に引き続いて研究遂行の基幹となる二次イオン質量分析装置の精度を上げるために必要な試験を実施し、多種同位体分析のための基礎解析と分析試料調整をおこなった。その上で、太古代の南極ナピア岩体から採取された試料を用いてジルコンのU-Pb年代、微量元素存在度,リチウム同位体分析,酸素同位体分析をおこなった。特に、Harvey Nunatakの斜方輝石片麻岩中に見出されたリチウムに極端に富むジルコンについて、Nb-U-Y相関を得ることに成功し、大陸地殻縁辺地域のプレート沈み込み部において堆積物と海水の反応によって生じたメルトが起源であることを明らかにした。Fyfe Hilllsの珪長質片麻岩中のジルコンについて、希土類元素存在度を指標とした超高温変成作用の時期の検証をおこなうとともに、その際に生じたジルコン酸素同位体組成の均質化現象を明らかにした。以上のように、U-Pb年代測定、希土類元素分析、微量元素存在度分析、高精度酸素-リチウム同位体分析手法を確立し、さらに得られたデータを検証し、希土類元素データや水酸基の定量情報による後からのイベントによる改変の影響評価、酸素同位体分析データによる年代値のフィルタリングなど、年代値とイベントを照合するための総合的な解析をおこなう一連の手法を確立した。成果をとりまとめて、JpGU-AGU Joint Meeting 2020、International Goldschmidt Conference、地球化学会、極域科学シンポジウムで発表し、またその一部は国際学術論文として公表した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 8件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件)
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