研究課題
本研究の目的は,アミノ酸の安定炭素・窒素同位体比を,従来の約1/1000の量に相当するピコ(10-12)モルレベルで測定する技術を開発し,試料中に含まれるアミノ酸が微量,もしくは,試料自体が微小であるために分析が困難であった,(1)生物から単離したタンパク質やオルガネラ,(2)難培養性微生物,(3)地質時代の生物化石,(4)隕石やサンプルリターン計画によりもたらされる地球外物質などで,アミノ酸の安定同位体比測定を可能にすることである。令和元年度は,平成30年度までに実施できていなかった「導入量による測定値変化の補正」を実施した。その結果,市販のGC-IRMSの約80倍の感度の向上を達成することができた(例えば,市販:8nmol,本システム:0.1nmol)。これは第1到達目標の100倍には届いていないが,概ね,予想通りの成果を得ることができたと考えている。これに,「キャピラリーカラム径の最適化」を実施することで,さらに10倍程度の感度向上ができるのではないか,と期待している。しかし,この高感度化により,試料に少量含まれているアミノ酸(例えば,メチオニンや,D体アミノ酸など)へのアクセスが可能となった一方で,既存のクロマトグラフィでは,これらの微小量の有機化合物を十分に分離できない(そのため,同位体比が測定できない)という課題に頻繁に悩まされるようになった。これは,高感度化のみならず,クロマトグラフィでのピーク分離の向上が必要であることを強く示唆する。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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