研究課題
基盤研究(B)
本研究では,ガスクロマトグラフ-同位体比質量分析計(GC-IRMS)を用いたアミノ酸の安定炭素・窒素同位体比分析の大幅な感度向上を目標に,(1)反応炉やトラップなどの各接続部のユニオンの再設計, (2) 金属触媒を用いた酸化・還元炉の高性能化,(3) マルチパーパスサンプラー(MPS)システムの導入,(4) カラムカップリング法の導入した。その結果,市販のGC-IRMSの約100倍の感度の向上が達成された。
有機地球化学,同位体生理学,同位体生態学
これまでアミノ酸の安定同位体比を用いた研究は,測定に必要な試料量が多いことが,重大な欠点であった。しかし,本研究により,上記(1)~(4)の技術を導入し,実際に,約100倍の感度の向上が行えたことで,本手法の応用範囲は劇的に広がったと考えている。試料サイズの制約の改善は,生物・生態系とその生合成・代謝系の機能や進化,地球生物圏における有機物・エネルギー循環,宇宙空間や初期地球における有機物生成や生命の起源に関連した研究など,幅広い分野への波及効果が,期待できる。