研究課題
理化学研究所の極低温型イオン蓄積リングRIKEN Cryogenic Electrostatic ring (RICE)を用いて,星間雲におけるC-H系分子誕生と複雑有機分子への進化過程に関する実験的研究を行うことを目的とし,合流ビーム実験のセットアップを行った。前年度までに、セシウムスパッタ型イオン源を用いた負イオンビームの生成、輸送と並行して、光中性化レーザーの実効的強度を向上するためのマルチパス光学系の設計、開発を行ってきた。製作したプロトタイプを用いた原理実証実験によって負イオンビームの中性化効率をおよそ1桁向上できる見込みがたったものの、光学系のダメージや、真空度の悪化などの実用的な課題を克服する必要があった。今年度は、光学部品のコーティングと水冷機構の改良を行うことでダメージ閾値の向上を図った。また、絶縁部品や接着部に、よりアウトガス性の低い材料を用いることで、レーザー照射中の温度上昇にともなう真空度悪化を抑制した。このようにして改良された光増幅キャビティを用いて光中性化の試験を行い、10 nA(1価イオン換算)以上の中性炭素原子ビームが得られることを実証した。以上のように開発した中性ビームをRICEに接続するため、作動排気チャンバーを製作し、中性粒子ビームラインの組み上げ準備を行った。今年度2月にインストール作業を行い、3月に合流ビーム実験を行うスケジュールであったが、COVID-19の影響で実現できていない。この間、様々な反応系を想定してビーム軌道や、検出系のシミュレーションを先行して進めている。合流ビーム実験については可能な環境が確保され次第、スタートする予定である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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JPS Conf. Proc
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