研究成果の概要 |
本研究では、ホウ素が媒介する新しい芳香環構築反応の機構の解明ならびに、この反応を利用したπ電子系機能物質の開発に取り組んだ。実験および理論計算により、9-ボラフルオレン誘導体によるアルキンの1,2-カルボホウ素化と、それにより生成するボレピン誘導体の酸化的芳香環化反応の機構を明らかにし、アルキンの芳香環化に有用な9-ボラフルオレン誘導体の構造要素を示した。また本反応を用い、キラル識別能を有する動的プロペラ分子や、直線状ポリマーからミクロ多孔性ジグザグ型ポリマーへの直接変換反応を開発した。本研究で得られた知見は、立体構造と動的特性がシナジーした新たなπ電子系材料を開発するための有用な基盤となる。
|