研究課題
本研究は高等植物から見出されるモノテルペノイドインドールアルカロイド類の生合成を模倣した集団的全合成および医薬品化学への展開を目的としている。昨年度までに合成法を確立したセコロガニンをグラムスケールで合成し、これを原料に集団的全合成へと展開した。独自に開発したジアステレオ選択的Pictet-Spengler環化反応を利用して、C3位の立体を制御し、引き続く化学変換により、ストリクトアミド、シモシドをはじめとしたアルカロイド類を5種全合成を行い、論文として発表した(Angewandte Chemie, International Edition)。さらに研究を合成の最終段階でのインドール環化学修飾法の開発へと展開し、生合成と同様に天然インドールアルカロイド類の芳香環に酸素官能基を位置選択的に導入する方法を確立した。現在、基質一般性を検討しており、終わり次第論文として投稿する予定である。加えて、生合成下流に位置するモノテルペノイドインドールアルカロイド類の集団的全合成へ展開するべく、第2の鍵中間体として位置付けられるガイソシジンの合成を行なった。未だ低収率ではあるが10工程以内での全合成を達成した。収率に関しては今後検討していく。加えて、合成したアルカロイド類に関しては、現在共同研究者により生物活性スクリーニングを行なっており、有用な生物活性が見つかった際には論文として発表する予定である。さらに、国際共同研究により、配糖体型モノテルペノイドインドールアルカロイドの探索研究を行い、新規アルカロイドを1種単離、構造決定することができた。現在論文執筆中である。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
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