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2018 年度 実績報告書

プラスチック折り紙工学に向けた折り曲げられて戻せるポリマーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17H03108
研究機関山形大学

研究代表者

落合 文吾  山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (20361272)

研究分担者 松村 吉将  山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (30791818)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードラジカル重合 / 形状記憶 / 環化重合 / 折り紙工学
研究実績の概要

1 重合条件の最適化
三次元構造体を作製するため、2-エチルヘキシルアクリレート、アクリロニトリル、および大環状構造を形成して環化重合する二官能アクリレートのラジカル共重合を軸分子と光開始剤存在下で行い、さまざまな光照射条件で硬化物を作製した。その結果、UV照射では、照射波長が長い方がより強靱な材料を与えた。さらに室内光のような弱い光で静置した場合に、UV硬化よりも強靱な材料が得られた。これは、より低エネルギーの光を用いて重合をゆるやかに進行させることで、副反応が抑制されたためと考えられる。また、開始剤を変えて重合を行ったところ、表面硬化性が低い開始剤の方がより強靱な硬化物を与えた。結果的に、フィルムにおいて、従来の光硬化よりもヤング率も破断伸張率も高い材料を得ることができた。
2 三次元構造体の作製と機能評価
上記の室内光下での硬化により、直径1cm、高さ2cm程度の円柱状の立体物を作製した。この円柱体は人力で圧縮等が不可能な程度(高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンの中間程度の弾性率)に堅かったが、プレス機では圧縮でき、90%圧縮しても破壊されなかった。これを直接もしくはマイクロ波で加熱すると、95%程度まで高さを回復することができた。ここで圧縮率を70%に抑えて圧縮-回復試験を行ったところ、回復率は100%となった。さらに、この圧縮と加熱による形状回復を5回繰り返しても回復率は100%を維持できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画とほぼ同等の進捗で進展している。

今後の研究の推進方策

3Dプリンティング等によるより複雑な形状の材料合成、開始剤やモノマー等の更なる最適化を行う。この成形体の特性を評価し、プラスチック折り紙としての機能を明らかにする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 架橋構造の制御による新規透明強靱ポリマーの開発2018

    • 著者名/発表者名
      千葉一生、松村吉将、落合文吾
    • 雑誌名

      塗装工学

      巻: 58 ページ: 410-414

    • 査読あり
  • [学会発表] 架橋構造の制御による新規透明強靱ポリマーの開発2018

    • 著者名/発表者名
      落合文吾
    • 学会等名
      第62回プラスチックフィルム研究会講座「次世代ディスプレイとフィルム材料」
    • 招待講演
  • [学会発表] Toward “Infinite Origami” Polymer2018

    • 著者名/発表者名
      Bungo Ochiai
    • 学会等名
      First International Conference on 4D Materials and Systems
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Infinite Origami Polymer: Foldable Shape-Memory Film Designed by Synergy of Multiple Crosslinkages2018

    • 著者名/発表者名
      落合文吾
    • 学会等名
      平成30年度化学系学協会東北大会
    • 招待講演
  • [図書] 次世代のポリマー・高分子開発、新しい用途展開と将来展望2018

    • 著者名/発表者名
      千葉一生、松村吉将、落合文吾
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      技術情報協会

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公開日: 2019-12-27  

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