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2017 年度 実績報告書

有機酸塩による電位窓異常拡大の機構解明と高電圧水系二次電池への展開

研究課題

研究課題/領域番号 17H03133
研究機関京都大学

研究代表者

宮崎 晃平  京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (10512783)

研究分担者 若林 裕助  大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (40334205)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード二次電池 / 電解液 / 電位窓
研究実績の概要

平成29年度は有機スルフォン酸塩の添加効果を確認すること、放射光X線を利用したX線表面反射率(XRR)測定のための基礎データの収集、リチウムイオン電池高電位正極として知られているニッケルマンガン酸リチウムLiNi0.5Mn1.5O4(LNMO)への展開、を中心に検討を行った。これまで、有機スルフォン酸塩として1,3-プロパンジスルホン酸二ナトリウム塩(PDSS)の添加による電位窓拡大効果のみを確認していたが、加えて他の有機スルフォン酸塩であるメタンスルホン酸ナトリウム塩(MSS)も水溶液の電位窓を拡大する効果を有することを明らかにし、電位窓拡大の効果がPDSSに特異的な現象ではなく、より普遍的・広範に見いだされる現象であることを確認した。また、XRR測定の実験セットアップとして雲母上に成長させた金の単結晶電極が利用可能であることを確認し、XRR測定を行いながら電極電位を変化させ、「その場」測定を成功させた。しかし、これまでイオン液体などで利用していたXRR測定用電気化学セルでは十分な測定精度が得られないことがわかり、再設計などが必要であることも同時にわかった。LNMOは作動電位が水の電位窓上端を超えて高く、酸素発生反応が競合する電位領域で充放電反応が進行する。そのため、電極活物質だけでなく、集電体の選択が重要であり、金やチタンなどの酸素発生に不活性な集電体の利用が副反応抑制に有効であることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

放射光X線を利用した反射率測定により電極表面近傍での電解質アニオンの構造化を測定する予定である。測定のセルなどの立ち上げに時間を要しており、当初の計画より少し遅れている。ただ、二年目以降で実験スケジュールを調整し、全体的な進捗に遅れがでないようにできる予定である。

今後の研究の推進方策

反射率測定の実験がスムーズに進行できるよう二年目では、実験セルの設計見直しと再構築を最優先事項として取り扱う。その後、すみやかに実験結果が得られるように実験計画のスケジュールを調整する。また、電極の作製は問題なく進んでおり、実験室でのデータ収集は二年目においても問題なく進行する予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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