本研究では 有機半導体の素子において電子スピンを反転させた際に発生する 電流変化を利用する技術開拓を行った。有機EL素子ではその電流変化を与えるのは電子正孔対のスピン反転であることを明らかにした。その電子正孔対は電圧を増加させると減少することがわかった。その減少によりELプロセスは電圧に応じて、ペア蓄積領域、ペア解離・再結合領域、非ペア形成領域の3つの領域に分類されることがわかった。またその電子正孔対の性質が有機EL素子の磁場応答性を決定することを明らかにした。金属二層薄膜の強磁性共鳴にて生じる起電力についても調べ、共鳴による励起電力と起電力の関係を明らかにした。
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