研究課題/領域番号 |
17H03138
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
祖山 均 東北大学, 工学研究科, 教授 (90211995)
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研究分担者 |
伊賀 由佳 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (50375119)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 疲労 / 機械的表面改質 / キャビテーション / レーザ / 3次元積層材 / 表面力学設計 / ピーニング |
研究実績の概要 |
1.レーザキャビテーションの圧潰衝撃力の支配因子の把握:水中にパルスレーザを照射した際に生じるレーザアブレージョンと,その後に発生・発達・崩壊する気泡(レーザキャビテーション)に起因する水中衝撃波やターゲット内に伝播する衝撃力を計測し,レーザアブレージョンによる衝撃力よりもレーザキャビテーションによる衝撃力のほうが約1.4倍大きいことを明らかにした。また,水中スタンドオフ距離の最適化が重要であることも明らかにした。 2.表面力学設計における因子の把握:ステンレス鋼の疲労強度向上における水中レーザピーニング,キャビテーションピーニング,ウォータージェットピーニング,ショットピーニングの相違を明らかにし,キャビテーションピーニングで処理した場合には,ショットピーニングで処理した場合よりも疲労試験における圧縮残留応力の低下が少ないことが判明した。 3.パルスレーザによる3次元積層材の平滑化:電子ビーム積層造形したチタン合金Ti6Al4Vをパルスレーザで処理し,3次元積層造形時に生じる表面粗さをレーザアブレージョンにより平滑化できることを明らかにした。また,水中に試験片を設置したほうが,水を用いない場合や,試験片表面に液膜を形成してパルスレーザを処理する場合よりも,高効率で平滑化できることが判明した。 4.パルスレーザによる金属製3次元積層造形材の機械的特性の評価:電子ビーム積層造形したチタン合金Ti6Al4Vを,キャビテーションピーニングや水中レーザピーニングにより疲労強度ならびに疲労寿命を向上できることを実証した。また,水中レーザピーニングでは通常用いられている波長532nmではなく,水中スタンドオフ距離の最適化により波長1064nmのパルスレーザにより532nmと同様に疲労寿命を向上できることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書の研究実施計画に記した項目について,順調に実施し,着実な成果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書の研究実施計画に記した項目について,平成29年度は順調に実施できたので,平成30年度は,引き続き,交付申請書の研究実施計画に記した項目について研究を推進する。
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