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2018 年度 実績報告書

複屈折のオンマシン計測によるガラス・CFRPのdefect-freeな二次加工技術

研究課題

研究課題/領域番号 17H03154
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

磯部 浩已  長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (60272861)

研究分担者 原 圭祐  一関工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30515812)
鈴木 厚行  徳山工業高等専門学校, 機械電気工学科, 准教授 (40450142)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードスクラッチ試験 / ヘルツ応力 / 超音波加工 / 光弾性法 / 偏光撮影
研究実績の概要

昨年度までに、光弾性によるガラス内部の応力の動的可視化手法を確立した。今年度は、石英ガラスおよびソーダガラスへ、直径φ3のダイヤモンド電着砥石(砥粒番手#100、円柱型)を用いての穴あけ加工を実施した。工具には、100個以上の砥粒が電着されているが、そのうちで加工に寄与する10個程度の砥粒があり、その直下には高い応力が観察された。深さ数mmまで加工すると、過負荷のためにスピンドルが停止した。一方、工具を超音波振動(軸方向、周波数40kHz、振幅4マイクロメートル)させると、砥粒直下の応力は激減し、その結果として厚さ8mmのガラスを貫通することができた。これより、超音波振動の効果は、個々の砥粒が発生させる応力を減少させていることが確認できた。しかし、超音波振動を重畳したとしても、抜け側に発生するコーンクラックを抑制することはできなかったが、応力の可視化によって、このクラックが発生する瞬間を捉えることもできたことから、工具形状や加工条件によって、最小限にする手法を見いだすことはできると考えられる。
加工に寄与する砥粒を1つもしくは2つに限定した砥石を作成し、スクラッチ試験において、砥粒の超音波有無によるガラス内部応力の差異を観察した。その結果、スクラッチ運動のみの場合には、砥粒進行方向へ応力が傾いていることから、引っ掻き力がガラスの除去加工に影響を与えている一方、超音波振動時には応力分布は砥粒下方のみに分布していることから、超音波振動が除去力に寄与していると考察できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、ガラスの高品質加工において、内部応力の観点から加工状態を把握するとともに、より欠陥の少ない加工方法、加工条件、加工工具を見いだすことを目的としている。昨年度までに、内部応力の高速度撮影手法を確立した。今年度は、実際の加工において可視化手法を適用することで、ダイヤモンド電着砥石においてはほとんど(約90%)の砥粒が加工に寄与していないことが確認できた。すなわち、砥粒目づまりの観点からは、余分な砥粒を電着せずに、チップポケットとしてすき間を空けることは有効なのではないかと考えられる。また、超音波振動の有効性は、個々の砥粒に起因するものであることが確認された。以上の点から、これまでの測定手法では不明であった新たな考察を得ることができたことから、計画はおおむね順調に進んでいることがわかる。

今後の研究の推進方策

今後は、不確定な形状の砥粒を用いたスクラッチ試験ではなく、ダイヤモンド圧子や切削バイト等も用いての試験を行い、理論的な応力分布との比較考察を行う。また、より小径の工具を用いての加工を実施し、本手法の有効性を実証する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 超音波振動研削によるガラス加工の特性改善 第5報 応力複屈折の計算を用いた砥粒接触応力の検証2019

    • 著者名/発表者名
      長谷川知晃、横山聡大、笹田捺生、五十嵐裕哉、原 圭佑、磯部浩已
    • 学会等名
      2019年度精密工学会春季大会
  • [学会発表] Visualization of Stress Distribution by Photoelastic Method2018

    • 著者名/発表者名
      Natsuki Sasada, Keisuke Hara and Hiromi Isobe
    • 学会等名
      第21回国際先端砥粒加工シンポジウム(ISAAT2018)
    • 国際学会
  • [学会発表] 超音波振動研削によるガラス加工の特性改善 第4報 超音波振動する砥粒が内部応力に与える影響2018

    • 著者名/発表者名
      横山聡大、笹田捺生、五十嵐裕哉、原圭祐、磯部浩已
    • 学会等名
      2018年度精密工学会秋季大会

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公開日: 2019-12-27  

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