弾性流体潤滑状態は基本的かつ基礎的な潤滑状態であり,潤滑中の摩擦損失やトラクションドライブのような動力伝達は弾性流体潤滑状態で起こる現象である.このため,弾性流体潤滑状態は,動力損失の予測や低減,そして機械の性能予測のために明らかすべき重要な研究対象である.本研究で対象とした潤滑膜の固化現象は,これまで推測の域を出ていなかったものである.しかし,本研究で行った分析により初めて固化膜の出現をその場で観察することに成功した.本研究で得られた成果は固化膜の分析方法の確立でもあり,他の潤滑油にも用いることができるため,学術的意義は大きく,今後の弾性流体潤滑状態での固化現象の理解につながるものである.
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