研究課題/領域番号 |
17H03186
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高橋 厚史 九州大学, 工学研究院, 教授 (10243924)
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研究分担者 |
李 秦宜 九州大学, 工学研究院, 助教 (60792041)
生田 竜也 九州大学, 工学研究院, 技術専門職員 (70532331)
西山 貴史 福岡大学, 工学部, 助教 (80363381)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 熱伝導率 / 2次元材料 / 界面熱抵抗 / ラマン分光 |
研究実績の概要 |
次世代のエレクトロニクスでは2次元材料(厚さが原子オーダーのシート状材料)とそのヘテロ構造(異なった材料の複合構造)が期待されているが、それらの熱伝導性能は不明なことが多く、正確な熱設計ができないのが現状である。そこで、本研究では各種2次元材料単体およびそれらを面外および面内で複合したヘテロ構造の熱伝導特性を計測するためのラマン分光法を開発するとともに、従来のT字型熱センサ法も用いて実験的研究を行った。今年度は、2次元材料の中でも次世代の半導体材料として期待されている遷移金属ダイカルコゲナイドの熱伝導率計測を行った。取り扱ったのは二硫化モリブデン(MoS2)と二硫化タングステン(WS2)であり、主としてスポットサイズ変化ラマン分光法を開発することとした。その原理は、照射レーザーの集光点から光軸方向に試料を動かすことで変化する加熱面積に応じて試料の温度上昇が変化することを利用して、2次元材料の熱伝導率と基板との界面熱コンダクタンスを推定するというものである。結果としては、両材料ともに十分に確からしいデータを得ることに成功し、上記の新測定法の実証ができたものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スポットサイズ変化ラマン分光法を開発することで二硫化モリブデン(MoS2)と二硫化タングステン(WS2)の計測が順調に進んだため。
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今後の研究の推進方策 |
レーザーフラッシュラマン分光法およびスポットサイズ変化ラマン分光法を同一材料に適応して精度の検証へと研究を進める。当初計画していた原子間力顕微鏡(AFM)と組み合わせたティップ増強法はメーカーと相談の結果、成果が期待できないことから本研究では採用しないこととする。
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