研究課題/領域番号 |
17H03200
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
小泉 憲裕 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (10396765)
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研究分担者 |
小木曽 公尚 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30379549)
月原 弘之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (50431862)
西山 悠 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (60586395)
宮嵜 英世 帝京大学, 医学部, 准教授 (80323666)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 医療のデジタル化 / 医デジ化 / Me-DigIT / Robotic Ultrasound / 超音波診断ロボット / 超音波診断・治療ロボット / 非侵襲超音波診断・治療統合システム / Non-Invasive Ultrasound Theragnostic System |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、超音波技術、情報技術、ならびにロボット技術を基盤として非侵襲超音波診断・治療統合システムの構築法を確立することであり、下記の5つのコア基盤技術に関する研究を遂行し、下記に示すようにきわめて順調に優れた成果を積み重ねてきている:(コア技術I) 機能に応じた機構設計技術、(コア技術II) 医療診断・治療技能における機能の抽出・構造化技術、(コア技術III) 患者に対するロボットの安全・安心・思いやりの動作技術、(コア技術IV)診断・治療タスクに応じたシステム動作切替え技術、(コア技術V) リアルタイム医用画像処理技術。 とりわけ (コア技術V) リアルタイム医用画像処理技術については近年,深層学習をはじめとする機械学習による画像処理の分野で画期的なブレークスルーがあった。これを踏まえてわれわれの研究グループも深層学習を包含した医療用ロボットビジョン技術に関する研究に着手、その成果も順調に積み重ねている:日本超音波治療研究会(JSTU2018)最優秀演題賞,学生研究奨励賞,ベストポスター賞受賞、泌尿器画像診断・治療技術研究会(JSURT2019)最優秀演題賞受賞、第25回ロボティクスシンポジア学生奨励賞受賞。また、(コア技術I)に関してベッド型の超音波診断・治療ロボットを株式会社大林製作所と共同で開発、JSTイノベーションジャパン2018、国際ロボット展(iREX2019)に出展した。 ほかにもトップジャーナル等への論文掲載(IJH、ROBOMECH Journal、JoE)、トップカンファレンス等での研究成果発表(CARS、CBS、UR、HI-POCT、ACCAS)、日刊工業新聞への掲載(2018年、2019年)など,医療診断・治療のための生体患部抽出・追従・モニタリング技術のパイオニアかつ中核的な存在として国内外からきわめて高い注目を集めてきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の目的は超音波技術、情報技術、ならびにロボット技術を基盤とする医療技能の技術化・デジタル化により,非侵襲超音波診断・治療統合システムの構築法を確立することであった。 具体的に、胸腹部の超音波診断・治療支援を対象に下記の作業手順をきわめて順調に遂行してきている:(1)医療診断・治療技能を機能として抽出・構造化、(2)機能におけるパラメータ解析、(3)機能の設計指針化、(4)機能の実装、(5)実験による機能の評価・改良 上記の作業ステップのうち、当該年度は(3)および(4)を中心に行なった。とりわけ、リアルタイム医用画像処理技術については深層学習を援用した医療用ロボットビジョン技術に関する研究に着手、その成果をきわめて順調に積み重ねてきている。また、機能に応じた機構設計技術については医療専門家のプローブ操作手技を巧みに再現できる6自由度の先端機構『Arabesque』を搭載した全11自由度のベッド型超音波診断・治療ロボットを株式会社大林製作所と共同で開発してきている。 本研究課題における主要な成果については日本超音波治療研究会(JSTU2018)最優秀演題賞,学生研究奨励賞,ベストポスター賞受賞、泌尿器画像診断・治療技術研究会(JSURT2019)最優秀演題賞受賞、第25回ロボティクスシンポジア学生奨励賞受賞が挙げられる。 他にも、JSTイノベーションジャパン2018、国際ロボット展(iREX2019)への出展、トップジャーナル等への論文掲載(IJH、ROBOMECH Journal、JoE)、トップカンファレンス等での研究成果発表(CARS、CBS、UR、HI-POCT、ACCAS)、日刊工業新聞への掲載(2018年、2019年)など,医療診断・治療のための生体患部抽出・追従・モニタリング技術のパイオニアかつ中核的な存在として国内外からきわめて高い評価を得てきている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は超音波技術、情報技術、ならびにロボット技術を基盤とする医療技能の技術化・デジタル化により,非侵襲超音波診断・治療統合システムの構築法を確立することであった。 具体的に、つぎの2つの診断・治療支援を対象に下記の5つの作業手順を順次遂行する。 (i) 腎がん・腎結石の診断・治療、(ii)肝臓がんの診断・治療、作業手順:(1)医療診断・治療技能を機能として抽出・構造化、(2)機能におけるパラメータ解析、(3)機能の設計指針化、(4)機能の実装、(5)実験による機能の評価・改良。 今後は上記の作業ステップのうち、本年度は(4-5)を中心に遂行して、医療専門家のプロの世界観をデジタルに再現、運動(変位・変形・回転)する臓器を高精度に抽出するとともに、医療専門家のプロの手技をロボティックに再現して追従することで、明鏡止水のごとくあたかも静的なものを観察するように患部をモニタリングできるシステムを具現化する。 これにより既存の医療機器や医療技能を統一(合)的で、直観的に見通しよく明解で、だれもが簡便かつ自由自在に、安全・安心・思いやりをもってハンドリングできる社会の実現を目指す。
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