研究課題/領域番号 |
17H03202
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
秋山 佳丈 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (80585878)
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研究分担者 |
小関 道彦 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (50334503)
鈴木 大介 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (90547019)
加納 徹 東京工科大学, メディア学部, 助教 (40781620)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 相対的反磁性アセンブリ / ゲル微粒子 / マイクロマシン |
研究実績の概要 |
本研究課題では,2種類のゲル微粒子を自発的に凝集させ造形するという新しい概念に基づき,研究代表者独自の非磁性粒子を磁場により凝集させる手法を用いて,生体適合性の高いバイオハイブリッド3次元造形法の確立を目指している.特に,このゲル微粒子に熱応答性高分子を含ませることで熱収縮性のアクチュエータとし,これを駆動源とするマイクロマシンの造形と動作を実証する. 本年度は,任意形状のゲル微粒子凝集体形成には,その形状を予測できるシステムが必要であるという考えから,粒子法を利用した凝集シミュレーション系を構築した.有限要素解析により得られた磁束密度分布に基づき,磁力および重力を設定し,他のパラメータを調整することで,昨年度得られた棒形状の凝集体形成に用いた磁場を与えた場合,同様の凝集体が構築される様子を再現することができた. また,U字形状凝集体の形成には,高さ方向の磁束密度変化の影響が大きく,当初の想定していた磁石アレイでは困難なことが分かり,前述の凝集シミュレーション系を用いて,適した磁石アレイを検討しており,ほぼ固まりつつある. さらに,昨年度に引き続き,ゲル微粒子凝集体を局所的にレーザ照射により加熱するシステムに,ガルバノミラーによるスキャン系を追加し,5ミリメートル程度の領域を自在にレーザ加熱出来るシステムを構築した.また,ガルバノミラーの制御はアナログ電圧によるため,これに必要なプログラムをナショナルインスツルメンツ社のLabVIEWにて作成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
有限要素法で得られた磁束密度分布を使い,粒子法に基づきゲル微粒子の凝集体の形成をシミュレートすることに成功した.一方,U字形状凝集体の形成が当初想定していた磁石アレイでは困難なことが分かったが,その対応策も固まりつつある.また,計画通り,レーザによる局所加熱装置へスキャンニング機能を追加することができた.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに構築したレーザ加熱装置を用いて,ゲル微粒子凝集体の変形を試みる.また,解析により得られた結果を元に作製する磁石アレイを用いて,U字型のゲル微粒子凝集体の構築を目指す.
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