本研究では、道具が身体の一部として認知される道具身体化の原理を装着型運動支援機器へ適応可能なレベルへ拡張し、装着型支援機器の身体化を促進する脳・神経生理的親和性向上技術の研究開発を行い、物理的に限界にある機器の軽量化・小型化・応答性・配置を認知・知覚の観点から進め、恒常的に装着可能な装着型人支援機器を製作し、健常者および障害者の恒常的身体拡張を実現する。H29年度は、下記の4テーマについて具体的に研究を進めた。1)下肢麻痺患者の歩行再建を目指した外骨格型歩行支援ロボットの操作インタフェース。電気刺激による歩行状態のリアルタイム知覚を目指した操作インタフェースを開発し、杖を有する2足歩行ロボットの操作実験を行い、操作性の向上を確認したが、新たな問題を把握した。2)アームを持つ移動ロボットの遠隔操作インタフェースの研究開発。ヘッドマウントディスプレイと非接触操作インタフェースを開発し、冗長自由度を有するロボットを用いた物体操作実験により本インタフェースの持つ問題を明確化した。3)走行時の運動負荷を低減する外骨格装置の試作。膝関節の伸展トルクを支援する軽量な装着型走行支援デバイスを製作し、走行実験によりその効果を評価した。4)指のリハビリを目的とした外骨格型反射誘発デバイスの試作。空気圧アクチュエータを用いた指の反射を誘発する運動刺激を与えるデバイスを試作し、反射が誘発されることを確認した。
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