研究課題/領域番号 |
17H03205
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長谷川 泰久 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70303675)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歩行支援 / 走行支援 / 身体拡張 / 電気刺激 |
研究実績の概要 |
昨年に引き続き、下肢麻痺によって失われた体性感覚フィードバックの代替を行う技術について研究を進めた。操作者から指示された歩行パラメータ(歩幅、周期、歩行方向など)を満たす安定な歩行軌道を計画し、歩行を開始する2足歩行ロボットを研究開発しており、下肢運動操作インタフェースに、下肢状態(深部感覚に相当する下肢関節角度および床反力および床反力中心位置)を提示するデバイスの改良を行なった。また、歩行時の安定性向上のため、杖の振りから、歩幅および歩行周期を予測し、ZMPの安定余裕が増加するように支持脚の股関節軌道に修正をリアルタイムに行うアルゴリズムを検討した。 また、アームを持つ移動ロボットの遠隔操作時において、ロボットが自動的に衝突回避を行う際、仮想的な接触状態を触覚オノマトペにより視覚提示することで仮想の力覚提示を行い、操作負担の少ない操作デバイスを用いたHSCシステムを提案した。これにより、ロボットの遠隔操作における操作負担の低減および衝突回避動作における認知補助が期待でき、移動操作や棚内の物体操作実験を通して、オノマトペによる状況理解への効果を確認した。 外骨格型走行支援装置では、プロトタイプを用いた走行支援効果評価実験によって、現状の走行支援装置では走行中に身体と支援機器に相対移動が発生し、回生エネルギー量が予想値を大きく下回り、十分な走行支援効果が得られないことが明確となり、今後の対策を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
走行支援装置の設計に必要となる走行実験の結果、当初計画の走行支援装置では、身体と機器に相対移動が発生し、エネルギ ー吸収量が不足のため、十分な走行支援効果が得られないことが判明したため、身体拘束構造について変更した走行支援装置の再設計および基本性能の再確認を行う必要が生じ、遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究計画に従い、健常者および障害者の恒常的身体拡張を実現する技術開発を目指し、a)視覚による力覚の代替技術、c)自己主体感を損なわない運動補正技術、d)支援機器の身体装着による運動への悪影響最小化技術、の観点からそれそれの機器を用いて研究を進める。また、走行支援装置の遅延回復に努める。
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