研究課題/領域番号 |
17H03211
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
下野 誠通 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (90513292)
|
研究分担者 |
河村 篤男 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (80186139)
藤本 康孝 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60313475)
溝口 貴弘 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 「力を感じる医療・福祉介護次世代ロボット」プロジェクト, 研究員(任期有) (80759308)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 電気機器工学 / モーションコントロール / 制御工学 / モータドライブ / パワーエレクトロニクス |
研究実績の概要 |
研究期間初年度の平成29年度においては、まず埋込磁石型のクロスカップル形二自由度ダイレクトドライブモータの基本モデルを新たに考案した。このモデルを数理学的に表現し、リラクタンス力およびリラクタンストルクの発生原理を明らかにした。さらに電磁界解析ソフトウェアを用いた有限要素解析を行うことで、モータ電気角、印加電流、発生推力および発生トルクの関係を綿密に調査した。数値解析から、同磁石量を有する表面磁石型のクロスカップル形二自由度ダイレクトドライブモータに比べて、埋込磁石型の考案モータの方が発生トルクを向上させることができることを確認した。これらの結果を踏まえ、原理実証を行うためのモータ試作機を設計した。 さらに、表面磁石型のクロスカップル形二自由度モータの性能向上にも取り組み、ハルバッハ磁石配列を適用したモデルを考案した。軸方向および周方向の磁石配列の組み合わせ、および磁化方向の異なる磁石の体積割合を考慮して電磁界解析を行い、結果を比較したところ、軸方向あるいは周方向の単一方向のみにハルバッハ磁石配列を適用するよりも、両方向に対してハルバッハ磁石配列を同時に適用することによって、トルク発生に対して相乗効果があることを確認した。ハルバッハ磁石配列を適用した表面磁石型のクロスカップル形二自由度モータについても、実証実験を行うためのモータ試作機の設計まで完了した。 上記の成果については、平成29年度に開催された電気学会産業応用部門リニアドライブ研究会での日本語論文発表1件、電気学会産業応用部門国際ワークショップでの英語論文発表1件として結実した。さらに、電気学会産業応用部門が主催する国際会議において英語論文1編が採択されており、平成30年5月に発表することを予定している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、平成29年度においては埋込磁石型のクロスカップル形二自由度ダイレクトドライブモータの数理表現、電磁界解析による特性評価、原理実証のための試作機設計まで達成することができた。埋込磁石型のモータ試作機の製作工程には着手できなかったが、解析研究においては表面磁石型の二自由度モータについての新たな知見を得ることができたなど、当初に予定していなかった学術的成果を得ることができた。次年度にはモータ試作と評価実験の段階に円滑に移行することができると考えており、順調に研究計画を遂行していると判断される。
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度においては、今年度の成果を踏まえて埋込磁石型のクロスカップル形二自由度ダイレクトドライブモータを試作する。また、ハルバッハ磁石配列を適用した表面磁石型のクロスカップル形二自由度ダイレクトドライブモータについても併せて試作を行う。試作機を用いた駆動実験を行い、考案モータの原理実証と、特性評価を行う。その後に、平成31年度にかけて、運動制御実験まで達成し、モーションシステムへの応用における考案モータの有用性を明らかにする。
|