研究課題/領域番号 |
17H03212
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
宮崎 敏昌 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (90321413)
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研究分担者 |
大石 潔 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (40185187)
横倉 勇希 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (70622364)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | マトリックスコンバータ / バックドライバビリティ |
研究実績の概要 |
平成29年度は2つの研究グループにおいて必要な要素技術の開発とその実現に向けて、以下の目標で推進した。「パワーエレクトロニクス」の研究グループは、「単相三相マトリックスコンバータ制御によるモータ軸トルク制御」の実証と高性能化に向けて、実機製作及び、電力高調波抑圧、回路小型化設計への基礎的な検証及び実証を行った。まず、単相三相マトリックスコンバータによるモータ駆動システムの作成及びシミュレーションによる動作検証を行い、マトリックスコンバータによるモータの可変速駆動法についての問題点とその解決法を解析した。次に、モータ駆動システムの制御において、消費電力に着目し、その高効率制御法、高力率制御法と高調波抑制制御法についての理論的な確立に着手した。 「モーションコントロール」研究グループでは、人間に優しい安全アクチュエータを実現するために、ギア出力軸力制御とモータ軸加速度制御による零スチフネス制御構造のバックドライバビリティ性能を有するACモータドライブシステムの開発を行った。この開発に向けて、2重外力検知の安全モーション制御実装の実機製作、及び負荷トルクセンサからロボット関節軸の反力トルクを取得する方法を開発した。同時に、モータ駆動側を主体として電力脈動を考慮したモータ軸加速度制御系と、所望のモーショントルクを出力する負荷側トルク制御系について、理論解析と数値シミュレーションを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2つの研究グループにおいて、個々の問題と解決するべき課題について、再設定し研究を実施した。同時に、当初の目的に有った装置の準備と実験環境の構築を行なっている。 本年度に於いては、実験装置及び環境の最終的な仕上げに若干の遅れが生じているが、理論的な検証等、理論面での進捗には遅れは発生していない。 本年度は、本研究に関する研究成果として、国内研究発表を5件と海外研究発表を1件行なった。同時に、本研究に係る学術論文を4件発表した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、「パワーエレクトロニクス」研究グループでは、単相三相マトリックスコンバータによるモータドライブシステムの実機検証を前年度から引き続き実施して、モータドライブシステムを完成させる。次に、高調波抑制について、前年度の理論解析結果を受けて実験実証を行い、高調波抑制制御法を確立する。また、モータドライブシステムの高効率化に向けた、回路再設計と実機実証を行い、変換効率97%以上、入力力率100%、ACモータドライブシステムの体積は従来比で約1/2 に、重量は約1/3 を実現する。 「モーションコントロール」研究グループでは、ギア出力軸力制御とモータ軸加速度制御による高バックドライバビリティ制御法を開発する。まず、ギア出力軸のトルクセンサからロボット関節軸のトルクを取得する手法の開発とその実装法を確立する。次に、この取得手法を用いて、ギア出力トルクフィードバックを実装し、パワーアシストの作業を考慮するギア出力トルク制御系の実機実験を行い、その有効性、有用性を評価検証する。また、モータ軸加速度制御系は、並行して実機実験を行い、制御系の設計法及び実装法を開発する。上記の技術を集約して、ギア出力軸力制御とモータ軸加速度制御による零スチフネス制御構造を持つACモータドライブシステムの有効性を実機実験により評価検証する。
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