• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

分子静電気エレクトロニクスに向けた光学手法によるトライボ発電ミクロ起源の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17H03230
研究機関東京工業大学

研究代表者

田口 大  東京工業大学, 工学院, 准教授 (00531873)

研究分担者 間中 孝彰  東京工業大学, 工学院, 教授 (20323800)
岩本 光正  東京工業大学, 教育・国際連携本部, 特任教授 (40143664)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード電子・電気材料 / 誘電体物性 / 可視化 / 低消費電力 / 摩擦発電 / 永久双極子 / 電荷変位 / 熱刺激電流
研究実績の概要

ものを擦りあわせると正負の電荷が分かれて摩擦電気が発生し、静電気の源となることは古くから知られています。一方で近年、摩擦電気を発電源ととらえて、絶縁体・誘電体から電流を取り出す摩擦発電の研究が活発化しています。静電気としての摩擦電気は、電荷の正負の「極性」と、その「量」が大切でした。電流を取り出す摩擦発電では、正負の電荷に分かれる「速さ」が大切です。これは、摩擦電気と摩擦発電の基本的な違いです。私たちのグループでは、本課題を通じてこの点を明確化し、誘電分極現象の観点から摩擦発電をモデル化することに成功しました。そして電気が流れる様子を可視化できる光第2次高調波発生(SHG)法により実験事実の裏付けを積みつつ研究を進めました。その結果、従来の正負の電荷変位ばかりでなく、永久双極子の回転も、発電の分子的起源として同じように発電源として利用できることを突きとめました。本年度の具体的成果は次の通りです。
(1)誘電分極現象として摩擦発電をモデル化し、電源の等価回路パラメータ(電流源および内部抵抗)を誘電物性パラメータ(初期分極量、誘電緩和時間)で表すことに成功しました。これにより、電気回路と材料物性の考え方を橋渡ししました。
(2)SHG測定で摩擦発電の双極子回転及び電荷変位の評価を行いました。
(3)測定チャンバを評価系に組み入れ、温度と湿度を制御して安定した環境で摩擦発電特性とSHG測定を行うことができるようにしました。
以上の結果をまとめ、論文誌及び学会発表を通じて成果を公表しました。また、誘電分極現象の観点から、従来の評価法としての誘電分極現象の見方を基盤として、その上にたって、さらに電気伝導現象を理解する見方に発展できることをまとめ、英文教科書として出版しました。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Dipolar polarization as an energy source of tribo-electric power generator2021

    • 著者名/発表者名
      Taguchi Dai、Manaka Takaaki、Iwamoto Mitsumasa
    • 雑誌名

      Applied Physics Letters

      巻: 119 ページ: 053302~053302

    • DOI

      10.1063/5.0058597

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Visualizing Positive and Negative Charges of Triboelectricity Generated on Polyimide Film2021

    • 著者名/発表者名
      TAGUCHI Dai、MANAKA Takaaki、IWAMOTO Mitsumasa
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Electronics

      巻: E104.C ページ: 170~175

    • DOI

      10.1587/transele.2020OMP0001

    • 査読あり
  • [学会発表] トライボエレクトロニクスのためのポリイミドLB膜の作製と摩擦発電の電流測定系の構築2022

    • 著者名/発表者名
      田口大,間中孝彰, 岩本光正
    • 学会等名
      2022年電子情報通信学会総合大会
  • [学会発表] 誘電分極による摩擦発電で流れる過渡電流の解析2021

    • 著者名/発表者名
      田口大,間中孝彰, 岩本光正
    • 学会等名
      2021年 第82回応用物理学会秋季学術講演会
  • [学会発表] 誘電分極をエネルギー源とする摩擦発電の等価回路モデル2021

    • 著者名/発表者名
      田口大,間中孝彰, 岩本光正
    • 学会等名
      2021年電子情報通信学会ソサイエティ大会
  • [図書] Maxwell Displacement Current and Optical Second Harmonic Generation: Analysis and experiment for Organic Electronics2021

    • 著者名/発表者名
      Mitsumasa Iwamoto, Dai Taguchi
    • 総ページ数
      512
    • 出版者
      World Scientific, Singapore
    • ISBN
      978-981-123-694-5
  • [備考] 間中・田口研究室ホームページ

    • URL

      http://www.pe.titech.ac.jp/IwamotoLab/top.html

  • [備考] T2R2東京工業大学リサーチリポジトリ

    • URL

      https://t2r2.star.titech.ac.jp/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi