研究課題/領域番号 |
17H03259
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉浦 慎哉 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (30394927)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 協調通信 / バッファ / 全二重通信 / マルコフ連鎖 / 非直交マルチプルアクセス |
研究実績の概要 |
ワイヤレス通信システムにおいて、分散ノード群が協調して動作することでネットワーク全体の通信品質が向上する協調通信技術が知られている。本研究では、分散ノードの物理レイヤにおいてこれまで本格的に利用されてこなかったデータバッファを最大限活用することにより、システム設計自由度を上げ、従来の性能限界を上回ること目的とする。これにより、周波数帯域を増大させることなく実効送信レートと信頼性を向上させる。特に、オーバヘッドとパケット遅延を削減しながら、高いダイバーシティ効果が得られるバッファ利用協調通信プロトコルを提案し、将来の超高速高信頼無線ネットワークを実現するための研究基盤確立に貢献する。 2018年度は、事業期間を延長し、下記の二項目について実施した。 (1)全二重バッファ利用無線分散プロトコルの開発 オーバヘッドと送信効率のトレードオフ限界を向上させるため、前年度に提案のプロトコルに全二重通信のコンセプトを取り入れる。効果として、従来方式と同じ効率で比較した際に、より高い送信効率を実現できた。簡易デバイスにおいて負荷の大きい処理を行うことを避けるために、ここでは各中継ノードでは半二重通信を仮定しながら、全体として全二重通信を実現した。 (2)理論解析による性能上限の導出 本項目では、前年度提案の拡張バッファ利用無線分散プロトコルを対象として、情報理論の観点から性能限界である理論不稼働率を導出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の年度研究目標を達成し、ここで得られた成果の一部は、IEEEジャーナルに掲載されたため。
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今後の研究の推進方策 |
提案の方式をベースとして物理層セキュリティの考え方を導入することで、通信の秘匿性を向上させる。
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