研究課題/領域番号 |
17H03266
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
守倉 正博 京都大学, 情報学研究科, 教授 (20467400)
|
研究分担者 |
山本 高至 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (30423015)
西尾 理志 京都大学, 情報学研究科, 助教 (80711522)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | ミリ波通信 / 機械学習 / RGB-Dカメラ / 確率幾何学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、異分野技術の統合的な活用により、ミリ波通信の課題である見通し通信路遮蔽を解決し、途切れないミリ波通信を実現することである。 平成29年度は、ミリ波通信品質予測手法とプロアクティブ通信制御の検討、およびミリ波通信実験評価に必要なテストベッドを実装した。ミリ波通信品質予測手法は、通信品質を低下させる事象発生前に通信制御を行うプロアクティブ通信制御において不可欠な技術である。従来は電波のみを用いていたため予測は困難であった。そこで、従来のスループットや受信信号電力などの通信品質情報のログに加えて、カメラ画像など空間センシング情報をもとに、機械学習等を用いて通信品質を予測する手法を確立した。また、このときにカメラと通信基地局の位置関係は、通信品質予測精度およびプロアクティブ制御の性能に影響を与える。そこでカメラと基地局の配置等に関する最適性について確率幾何学等を用いて議論し、最適な配置個数に関して解析的に求める方法を実現した。プロアクティブ通信制御においては、基地局スリープ制御について、劣モジュラ最適化を用いた高速に実行可能かつ性能保証のある制御手法を提案した。ミリ波通信実験テストベッドでは、ダウンコンバータを用いて測定器を実装し、60GHz帯通信において人体遮蔽による受信信号電力の減衰を観測した。本測定手法では隠れマルコフモデルを導入し、送信機が間欠的にフレーム伝送している場合でも、フレーム非送信時の受信信号電力低下とフレーム送信中だが遮蔽されている状況を自動的に区別する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ミリ波通信品質予測に関しては当初計画通りに順調に進展している。一方、面展開時の解析に関して次年度以降に検討予定であった面的展開の最適化に関して成果が得られた。また、当初はスループットによる測定を予定していたテストベッドにおいて、ミリ波通信の受信信号電力を測定可能にできたため、当初の計画以上に進展していると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度は機械学習を用いた通信品質予測手法を高度化を行う。特に平成29年度の方式の課題であった学習時間について、それを解決する方式を検討する。加えて、プロアクティブ制御としてプロアクティブハンドオーバ方式を高度化する。特に課題であった制御方策の設計に関して強化学習等の応用を検討する。
|