本研究の目的は、永久磁石に対して磁区観察後に局所領域での磁化曲線を計測・解析できる手法を開発することである。局所領域での磁化過程や磁化反転の情報は磁石の性能向上に重要である。本研究ではパルス磁石を付加した独自の磁気力顕微鏡を開発し、以下の結果を得た。 1)観察試料を設置する前にパルス磁場により磁性探針のみの磁化曲線を計測する手法を開発した。この磁化曲線の情報は試料からの磁気力顕微鏡信号の解析や磁気力顕微鏡探針の性能評価に必要となる。2)計測に適した探針としてFePt高保磁力探針を開発した。3)永久磁石の磁区構造観察の後に、測定条件を調整することにより局所的な磁化曲線計測を実現した。
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