近年、新型コロナウィルスのパンデミックが大きな脅威となっており、迅速・簡易なDNA診断技術の開発が課題となっている。本研究では、進行波電界を利用した新しい原理に基づき、DNA診断技術の高感度化を目指した。先ず、DNA修飾した多数のマイクロビーズの進行波電界下の挙動を観察し個々のマイクロビーズの速度を定量化するシステムを開発した。その結果、DNA修飾量の増加に伴いマイクロビーズの運動速度が増大することを明らかにした。開発した手法によるDNA検出感度は、DNA修飾量が100DNA/ビーズであった。これは、研究代表者らのグループが過去に開発したDNA診断法に比べ約1000倍の感度である。
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