地域ごとの環境作用を考慮したコンクリート構造物の耐久性確保システムの構築と実装

2019 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 17H03286
• 研究機関: 横浜国立大学
• 研究代表者: 細田 暁 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (50374153)
• 研究分担者: 阿波 稔 八戸工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (10295959) ; 佐川 康貴 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10325508) ; 半井 健一郎 広島大学, 工学研究科, 教授 (10359656) ; 岩城 一郎 日本大学, 工学部, 教授 (20282113) ; 富山 潤 琉球大学, 工学部, 准教授 (20325830) ; 田村 隆弘 福井工業高等専門学校, その他部局等, 校長 (60171899) ; 石田 哲也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60312972)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: コンクリート構造物 / 品質確保 / 耐久性確保 / 環境作用 / 地域

研究実績の概要

東北地方の復興道路の建設において，コンクリート構造物群の品質確保と耐久性確保の試行工事と，そこから得られた知見に基づいた規準類の整備が，研究代表者らを中心とする産官学の協働により進めてきた。この経験に基づいて，日本の各地域の環境作用や材料の品質・供給事情等を勘案したコンクリート構造物の耐久性確保のための設計・施工のシステムの構築と社会実装を目的として研究を行った。
東北においては，RC床版の高耐久化の取組みを推進した。その中で，高炉スラグ微粉末あるいはフライアッシュを耐久性確保のために有効利用し，適切なひび割れ抑制対策を行い，申請者らが開発した施工状況把握チェックシートを活用して、適切な施工が行われる仕組みを構築した。特に，ひび割れ抑制対策は，材料物性の計測・部材レベルでの挙動・実鉱物での計測の3段階のレベルにより検証した温度応力解析モデルを活用し、想定される様々な環境条件や材料条件のもとで、有害なひび割れを抑制するシステムを構築できた。ひび割れ抑制対策を含む研究成果は、「東北地方におけるRC床版の耐久性確保の手引き（案）（2019年試行版）」に実装された。
研究代表者らが開発した目視評価法と施工状況把握チェックシートを活用した品質確保の試行工事が、東北を含む、全国の地方整備局等で実施された。表面吸水試験を用いて実構造物の品質を評価する手法について、コンクリートの含水率の影響を考慮して評価する手法が構築できた。これらの品質確保の手法や、品質評価の手法を取り込み、地域に特有の環境作用や材料事情を勘案した品質確保システムの構築に向けた検討を研究協力者らと実施した。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] 高炉セメントを用いた高耐久RC床版の開発，性能検証および現場実装 (2020)
  • 著者名/発表者名: 石井博典，石田哲也，細田暁，田中泰司，佐藤和徳
  • 雑誌名: 構造工学論文集 巻: 66A ページ: 800-812
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] フライアッシュⅣ種で管理される石炭灰を用いたコンクリートの品質と性能評価 (2020)
  • 著者名/発表者名: 榊原直樹, 冨塚翔太, 子田康弘, 岩城一郎
  • 雑誌名: セメント・コンクリート論文集 巻: Vol.73，No.1 ページ: 176-183
  • 査読あり
• [雑誌論文] Utilizing Expansive Additive to Reduce Thermal Cracking Risk of RC Slab on Single Span PC Composite Girder Bridge (2019)
  • 著者名/発表者名: Arifa I. ZERIN, Akira HOSODA, Satoshi KOMATSU, Nobuyuki NAGATA
  • 雑誌名: コンクリート工学年次論文集 巻: Vol.41, No.1 ページ: 707 - 712
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Effects of Inner Moisture of Covercrete on Surface Water Absorption Test and Air Permeability Test (2019)
  • 著者名/発表者名: Van Toan NGO, Akira HOSODA, Satoshi KOMATSU, Norihiro IKAWA
  • 雑誌名: コンクリート工学年次論文集 巻: Vol.41, No.1 ページ: 1919 - 1924
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] 耐久性確保のための養生 (2019)
  • 著者名/発表者名: 細田暁
  • 雑誌名: コンクリート技術シリーズ122「コンクリート構造物の養生効果の定量的評価と各種養生技術に関する研究小委員会（356 委員会） 成果報告書 および シンポジウム論文集 ( 土木学会 ) 巻: 122 ページ: 241-242
• [雑誌論文] 使用材料および施工方法に起因するトンネル覆工のひび割れに関する考察 (2019)
  • 著者名/発表者名: 水野希典，前田佳克，海瀬忍，土屋智史，松岡茂，石田哲也， 西村和夫
  • 雑誌名: 土木学会論文集 F1 巻: Vol.75, No.1 ページ: 88-106
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] コンクリート中の鉄筋腐食に与える水 とコンクリートの中性化の影響 (2019)
  • 著者名/発表者名: 轟俊太朗， 石田哲也， 田所敏弥， 上田洋
  • 雑誌名: 土木学会論文集E2 巻: Vol.75，No.4 ページ: 226-238
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] AN EXPERIMENTAL STUDY OF THE COMBINED EFFECT OF BINDER TYPES AND CURING METHODS ON CHLORIDE INGRESS UNDER ACTUAL ENVIRONMENTAL CONDITION (2019)
  • 著者名/発表者名: Pakpoom LIMTONG，石田哲也，渡邉賢三
  • 雑誌名: コンクリート工学年次論文集 巻: Vol.41，No.1 ページ: 785-790
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 凍結防止剤の散布と疲労を受けるRC床版の複合劣化 (2019)
  • 著者名/発表者名: 岩城一郎
  • 雑誌名: コンクリート工学 巻: Vol.57，No.12 ページ: 936-941
  • オープンアクセス
• [雑誌論文] 過酷な積雪寒冷地におけるRC床版の品質確保と高耐久化に対する取組 (2019)
  • 著者名/発表者名: 音道 薫、阿波 稔、迫井裕樹、船水 武
  • 雑誌名: コンクリート工学年次論文集 巻: Vol.41, No.1 ページ: 1331-1336
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] EFFECT OF INITIAL CURING CONDITIONS ON AIR PERMEABILITY AND DE-ICING SALT SCALING RESISTANCE OF SURFACE CONCRETE (2019)
  • 著者名/発表者名: Meng Zhang, Yuki Sakoi, Minoru Aba, and Yoichi Tsukinaga
  • 雑誌名: ACF Journal 巻: Vol.5, No.1 ページ: 56-64
  • 査読あり