研究課題/領域番号 |
17H03309
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
宮田 喜壽 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (20532790)
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研究分担者 |
篠田 昌弘 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (30462930)
野々山 栄人 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 助教 (00624842)
宮本 慎太郎 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 助教 (60782711)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 性能設計 / 土構造物 / 危機耐性 / 冗長性 / ロバスト性 |
研究実績の概要 |
本研究は,土構造物の設計における危機耐性を考慮した性能設計法の構築を目指すものである.本年度は,1)幅広い地震動に関する実験,2)上下地震動に関する実験,3)不連続・流動変形を考慮した破壊形態解析法,4)破壊確率の解析法である. 幅広い地震動に関する実験では,事前検討として水平方向と鉛直方向の加速度波形を入力可能なニューマーク法により斜面の変形解析を実施した.解析に用いた加速度波形は,48箇所の地震観測所から得られた強震波形を32方位に分解した波形を用いた.その結果,水平方向と鉛直方向の慣性力の方向により,発生する地震時変位量が異なることが分かった.事前検討した加速度波形から,2011年東北地方太平洋沖地震の強震波形(浪江)を用いて,盛土模型の加振実験を実施した.その結果,慣性力が盛土法面の垂線方向に作用すると変形量が大きくなることが分かった. 上下地震動に関する実験では,水平方向と鉛直方向の位相差を変化させた正弦波(最大加速度800Gal,5Hz,20波)を用いて盛土模型を加振した.その結果,慣性力が盛土法面の垂線方向に作用すると変形量が大きくなることが分かった.さらに,高さ50cmのL型擁壁模型を製作し,盛土模型の加振実験と同じ正弦波で加振実験を行った.その結果,盛土模型の加振実験と同様な結果が得られた.これらの加振実験では,画像解析(PTVとPIV)を用いて,加振中の地盤変位や速度を把握した. 不連続・流動変形を考慮した破壊形態解析法では,粒子法(SPH法)を用いて,盛土と擁壁の大変形解析を実施した.その結果,常時から崩壊時の地盤の運動,そして崩壊土砂が静止するまでを解析できることを示した. 破壊確率の解析法に関する検討では,格子状金属補強材を用いた補強土壁と帯状PET補強材を用いた補強土壁の破壊確率法の確立に必要な荷重モデルを提案した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,平成30年度は,盛土とL型擁壁の加振実験を実施して,実験データを蓄積した.今後は,加振実験結果と破壊形態解析結果を用いて,信頼性解析やリスク解析を実施する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は,申請課題を遂行するために冗長性・ロバスト性を考慮した信頼性解析,破壊形態による直接・間接損失を考慮したリスク解析を行い,得られた成果から,道路網の危機耐性向上のための次世代設計法の提案することで研究目的の達成を目指す.
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