本研究は、音響トモグラフィー法を用いて河川流量の自動リアルタイム観測システムを構築したものである。両岸で受信される音響データと水位データから、10分間隔で長期にわたって自動観測された河川流量の観測結果をインターネット経由で表示・送信することに成功した。川幅110mの礫床河川で自動観測システムの長期実証試験を行い、その連続観測結果から流量が水位とともに単調に変化しないことを明らかにするとともに、出水イベントごとの水位-流量曲線を求め、その変動特性を考察した。水位-流量曲線の「波打ち」は特定の水位で発生し、複雑な河道特性や水位による粗度係数の変化がこの「波打ち」を引き起こしていると考えられた。
|