研究課題
R1年度はH29,30年度に引き続き耳川における水質・濁度環境,生物環境,河床形状のモニタリングを実施した.R1年度は複数の台風通過があり,準備体制による一時的なダム水位低下の実施は行われたものの,ダムの通砂運用までには至らなかった.しかし,6月および12月にUAVによる地形測量および環境DNA分析のため採水を実施した.また,H29~30年度の調査結果をもとに耳川におけるダム通砂が土砂動態及びアユ現存量に及ぼす影響の検討を行った.その結果,AVおよびSfM/MVSを用い,水域部に水面屈折補正計算を行うことによって,正確な水深を把握し,通砂前後の土砂動態を把握できることが示された.通砂が行われたダムより下流域では,土砂動態が活発になっており,ダム直下では土砂は流出傾向にあり,下流に近づくにつれて堆積傾向にあることが明らかとなった.環境DNAを用いたアユの生息域分布の把握により,耳川下流域におけるアユの環境DNA濃度が年々増加していることが明らかとなった.現状では資源量の年変動である可能性は除外できないが,通砂によって,土砂動態が活発になっていることを加味すると,通砂による土砂動態の活性化がアユの生物量の増加に寄与している可能性が示唆された.また,今後,通砂(土砂動態)に伴う生態系変遷の指標として大内原ダムより下流においては,アユを用いることが出来る可能性も示された.さらに,H30年度に開発した河川生態系モデルに河床変動モデルを組み込むことによって次元・二次元ハイブリッド型河川流・河床変動モデルを開発した.耳川では十分な河床形状のデータが得られなかったため,島根県の高津川を対象としてこのモデルの検証行い,出水前後の河床変動を再現可能であることが示された.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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