研究課題
平成28年に東北・北海道を襲った台風10号は、河川氾濫に伴う橋の流失や大規模な土砂崩れを各地で発生させ、地域社会を支える主要幹線に壊滅的被害をもたらした。このような異常気象に対して、今後数十年から百年先まで見据えた広域道路ネットワークの構築が必要となるが、従来、河川流域計画及び地盤整備計画と道路整備計画は、防災・減災の視点から十分に連動しておらず、どの程度、復旧する道路の整備レベルを向上すべきか定量的に評価できない問題があった。そこで本研究では、大規模な気象災害を対象に交通ビッグデータを用いて広域道路ネットワークの被災の影響を長期間・広域的に把握した上で、河川・土砂災害による潜在的な道路被災リスクを考慮した広域道路ネットワークのレジリエンス向上のための道路整備計画手法の構築を行う。(1)平成28年台風10号前後の交通ビッグデータを用いて、被災事前事後の移動実態の変化を把握した。また、一般国道と高速自動車国道が並行する区間を対象に、道路被災確率と対象期間全体における確率的通行止め時間推定モデルの提案を行った。気象災害の一つとして、冬期暴風雪時の通行規制が与える地域社会への減災効果と地域住民の減災行動の学習過程を明らかにした。(2)平成28年を対象とした十勝川流域における洪水流の特徴、十勝川上流域を対象とした豪雨の地形依存性の検討、北海道の年最大降雨イベントを対象とした地形性豪雨の分類を行った。(3)北海道に分布する風化残積土の物理・力学挙動とその工学的評価土砂災害の主因である国道274 号日勝峠と北海道横断自動車道の災害発生地点周辺から採取した花崗岩の風化残積土とその堆積物(周氷河性斜面堆積物)の物理・力学特性を明らかにした。併せて、北海道内の火山灰質土の力学特性の比較から、風化が進行している土質材料の工学的評価手法の検討を行った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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