研究課題
現在の救急業務の実態は、救急車が現場に到着してから、傷病者を救急病院へ搬送するまでに、約28分間(搬送時間の全国平均)を要している。その搬送時間の中で行われる病院前救急医療(プレホスピタルケア)は、非常に重要な役割を持っており、重篤な傷病者の救命率向上に、極めて大きな影響を持つと言われている。しかも、救命率向上を図るためには、消防機関(救急車)と医療機関(救急病院)の連携強化が不可欠であり、救急医療情報のデジタル無線伝送システムの実用化がその鍵を握るといわれている。そこで本研究では、まず、救急搬送時間と救命率の関係を明らかにするとともに、院外心停止患者の救急搬送状況(搬送時間、心停止の発生時刻、心肺蘇生、アドレナリン投与の有無等)の違いと予後の関係を明らかにした。また、心停止患者へのAEDの活用可能性の検討(AEDの適正配置計画の検討方法の開発)を行った。さらに、平常時のみならず災害時における防災救急拠点の最適配置の検討方法についても検討した。具体的には、災害時に大きな影響を受ける道路網の連結信頼性とその効果的対策法の検討方法を開発した。また、大規模火災発生時の対応にも検討可能な同時多発型火災延焼シミュレーションシステムの開発とそのシステムを活用した「みどりの防災(防火)計画)」の検討も行った。その一方で、超高齢社会の到来に対応できるように、医療・介護・福祉情報の一体管理による救急要請の将来予測と高齢者の日常生活圏における活動状況の実態(医療機関の再編・再配置後の通院郷里の変化)を明らかにした。また、救急車の走行信頼性確保のための道路交通状況の把握方法の検討を行った。具体的には、道路の交通情報を把握するために、プローブデータとデジタル道路地図データの活用可能性の検討を行い、道路交通状況(走行時間信頼性)と道路情報の取得が可能であることを明らかにした。
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