研究課題/領域番号 |
17H03324
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森川 高行 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30166392)
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研究分担者 |
山本 俊行 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (80273465)
三輪 富生 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (60422763)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 交通計画 / 交通効率性 / 運転ストレス / アグレッシブ・ドライブ |
研究実績の概要 |
平成29年度は以下の2項目について研究を行った. 1.運転行動の構造分析 初年度である今年度は,アグレッシブ・ドライブに関する既往研究から,調査方法,調査項目等を整理し,運転傾向,交通事故経験,普段の移動,性格等について尋ねるwebアンケート調査を実施した.調査対象地区は,日本(愛知・岐阜・三重の3県),中国(北京),ベトナム(ホーチミンシティ)の3か国で,それぞれ車とバイク合わせて約1000サンプルを回収した. 2.運転行動の定量的評価 ミャンマーの首都ヤンゴンで収集した45名分のプロフェッショナルドライバーから収集した運転負担度や運転スタイル調査データ,交通事故の経験等のデータに構造方程式モデルを適用し分析を行った.その結果,運転ストレスがアグレッシブ・ドライブと生の関係があり,アグレッシブ・ドライブと交通事故にも正の相関があることを明らかとした. また,指定のルートを走行した際の心拍と前方画像も収集しており,これらを用いて運転ストレスと心拍の関係を分析した.その結果,運転経験や個人間の差異はあるものの,混雑した道路や歩行者が自由に車道を横断するような個所では,心拍数が有意に上昇したり,心拍変動の周波数成分であるHFやLF成分がストレス状態を示すことが多く,運転ストレスが生じていることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
平成30-31年度は、運転行動の構造分析と運転行動の定量的評価の2つのテーマを行う。 1.運転行動の構造分析 今年度は、日本、中国、ベトナムの3カ国で昨年度実施したwebアンケート調査データを用いて分析を進める。日本と中国は主に車利用者、ベトナムはバイク利用者が主な回答者であり、各国1000サンプル程度の回答が得られている。これらのデータから、ドライバが感じる運転負担度、事故経験、モラル、国民性や個人属性と運転ストレスやアグレッシブ・ドライブとの関係を分析し、都市による相違について明らかにする。また、webアンケートでは、運転ストレスと所要時間に関するSP(Stated Preference)調査も行っており、モデル分析を行うことで,運転ストレスと所要時間のトレードオフについて明らかにする。 2.運転行動の定量的評価 運転行動の定評的評価では、実道路の走行実験で運転挙動、生体信号データと運転時の感情等を収集したデータを用いて、運転ストレスと生体データの関係を明らかにする。今年度は、研究代表者らはすでに収集済みのデータ(愛知県豊田市の約50名分の前方画像、生体信号、運転ストレスの自己申告等を収集したデータ)を用いて、運転者だけではなく同乗者の心拍にも着目し、レジームスイッチングモデルや隠れマルコフモデル等を適用し、運転ストレスや道路構造、運転挙動等との関係を明らかにする。
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