研究課題/領域番号 |
17H03369
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研究機関 | 国土技術政策総合研究所 |
研究代表者 |
樋本 圭佑 国土技術政策総合研究所, 建築研究部, 主任研究官 (90436527)
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研究分担者 |
林 吉彦 国立研究開発法人建築研究所, 防火研究グループ, グループ長 (70212157)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 市街地火災 / 火災旋風 / 地震火災 / 火災 |
研究実績の概要 |
(1) 地震発生の季節・時間帯の影響を考慮するための出火確率モデルの改良 これまでに収集した近年の地震火災記録を,従来のように地震ごとに個別に分析対象とするのではなく,地震間の共通性に着目した階層ベイズ手法を適用して分析することにより,安定的に地震出火確率モデルの推定を行えるようにした.これにより,出火件数が少なく,個別では分析が困難であった地震についてもモデル推定を行えるようにした. (2) 大規模市街地に対応するための市街地火災延焼性状予測モデルの改良 火災風洞実験により,市街地風を模擬した横風が加えられた長方形火源(アスペクト比:1~10)の風下側温度場の計測を行った.また,これまでに構築した温度場に関する相似則が正方形火源を対象としたものであったことから,これを長方形火源にも適用できるように拡張し,この妥当性を火災風洞実験により得られたデータを用いて検証した.これにより市街地火災における風下側の温度上昇を,より簡便な手続きにより確認することが可能になった. (3) 火災風洞実験に基づく火災旋風発生条件の分析 火災風洞実験を実施してL字型火源周辺流れ場を可視化し,その様子を高速度カメラで記録した画像のPIV(Particle Image Velocimetry)解析を行った.これにより,床面付近の2次元2成分の流速ベクトルを求め,火災旋風が発生しやすい流体力学的な条件について定性的な分析を加えた.ただし,定量的な分析には,依然として分析データが不足していることから,今後も検討を継続する必要があることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)地震発生の季節・時間帯の影響を考慮するための出火確率モデルの改良 当初の計画通り進捗している. (2)大規模市街地に対応するための市街地火災延焼性状予測モデルの改良 当初の計画に加え,火源の風下側温度上昇の簡易計算モデルを構築した. (3)火災風洞実験に基づく火災旋風発生条件の分析 おおむね計画通りに進捗しているが,検証用データを拡充する必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
基本的には当初の研究計画からの変更はない.ただし,課題(3)「火災風洞実験に基づく火災旋風発生条件の分析」については,検証用データを拡充するために火災風洞実験を継続的に実施する.
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