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2021 年度 研究成果報告書

建築・聖教・美術から見た新義・古義を包括的に捉える日本密教史の再構築

研究課題

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研究課題/領域番号 17H03372
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 建築史・意匠
研究機関京都府立大学 (2018-2021)
京都大学 (2017)

研究代表者

山岸 常人  京都府立大学, 文学部, 特任教授 (00142018)

研究分担者 平 雅行  京都先端科学大学, 人文学部, 特任教授 (10171399)
藤井 雅子  日本女子大学, 文学部, 教授 (20440084)
坪内 綾子  日本女子大学, 文学部, 助教 (20794811)
永村 眞  日本女子大学, 文学部, 研究員 (40107470)
中川 委紀子  日本女子大学, 文学部, 研究員 (70618991)
冨島 義幸  京都大学, 工学研究科, 教授 (80319037)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード聖教 / 事相 / 教相 / 根来寺 / 智積院
研究成果の概要

日本の密教寺院に関しては、事相中心の古義真言教団と、教相中心の新義教団という図式的区分がある。古義教団の醍醐寺では、灌頂や諸尊法の伝授だけではなく、教相聖教の作成・書写・修学・法会が行われていた。一方の新義教団の寺院の実態は、これまで史料が乏しかったが、既往研究を踏まえつつ、智積院所蔵史料を調査することによって一挙に実態が明瞭となった。これらの史料蒐集の結果、高野山・醍醐寺・根来寺、さらに周辺の多くの地方寺院の間での聖教の書写・貸借を踏まえた修学・伝授のネットワークが確認され、事相・教相を総合的に受容する中世密教寺院の実態が明らかになった。新義・古義の教団理解にも修正を加えることとなった。

自由記述の分野

建築史・仏教史

研究成果の学術的意義や社会的意義

真義真言宗関係寺院所蔵の聖教(仏教関係文書・記録)を調査・蒐集することによって、事相(密教の実践)中心の密教史や、教相(密教理論)面での思想的研究に限られていた仏教史を再構築することが可能となった。中世における真言宗僧達は密教修法のみ、あるいは仏教の学術的な修学のみを実践するのではなく、両者を包括した多面的な修学活動を行っていた。また、それを実現するために、特定の寺院に定住するのではなく、寺院間や教団を越えた僧侶達の頻繁な移動があり、またそのことによって聖教が地方寺院にまで伝播した。
既存の中世密教史の理解への変革を迫ると共に、近世以降の教団形成史にも新たな視点をもたらすことができた。

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公開日: 2023-01-30  

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