薄膜成長に用いる結晶基板表面には、原子レベル平坦なステップテラス構造が必要となる。この構造の構築は、基板表面での表面拡散を用いる熱処理法がしばしば用いられている。ところが、熱処理を行うことにより、基板最表面部でその熱処理温度と平衡する濃度の点欠陥が形成し、最表面部の原子密度が低下する可能性が生じる。本研究では、この原子密度の低下をできるだけ緩和させる手法として、熱処理時の酸素分圧の調整、超純水の利用について基礎的な知見を収集した。また、基板表面の状態を変化させる手法として電界印加の効果についても取り組んだ。
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