熱流と直交する方向に起電力が生じる「非対角熱電効果」を利用した傾斜積層型発電モジュールの創製を目的として、計算機シミュレーションを基にしたモジュール設計と試作を行い、非対角熱電効果の発現を実証した。得られる電力出力は、多層膜中の熱電材料の層厚および傾斜角に依存し、層厚が10%程度で傾斜角が30°近傍において高い出力が得られることが明らかになった。実際作製されたモジュールでは、異種材料間で相互拡散が生じて性能が劣化することがわかった。試作された中で最も高い出力は、市販熱電モジュールを上回る性能を持つことが明らかになった。
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