研究課題
我々が5年前に理論的に見出したペンタグラフェンに関して、その拡張研究を継続的に行っている。ペンタグラフェンの有する負のポアソン比は安定な物質としては世界で最初の発見であり、多くの理論家及び実験家が注目し、現在に至るまで精力的な研究がなされている。Web of Scienceに依れば、既に388回引用されている(発表以来高被引用論文に選ばれている)。我々は、実験的な創製を加速するため、そこで必要となる種々の事項、例えば、欠陥のある場合、付加原子がある場合等に関する理論的に考察し、第一原理シミュレーション計算を活用して継続的に探索を行い、論文として公表して来た。本研究の分担者である名古屋大学尾上順教授との実験と我々の理論的検討の打合せにより、新たな方策を模索しつつ研究を推進して来た。また、擬二次元構造物質をペンタグラフェン以外の系へと拡張し、五員環のみから構成される安定擬二次元構造物質の探索を、炭素系、遷移金属の組み合わせを中心に幅広く行った。予想以上に安定な擬二次元構造物質が見つかっている。その中に、磁性を含め種々の有用な物性を有する新擬二次元構造物質を発見した場合には、学会発表して議論していただき、その後、論文として公表している。種々の安定な(擬)二次元物質の高効率探索を実施するために、マテリアルズインフォマティックス(MI)の手法を導入している。信頼できる統計的結論を得るためには最低1万種以上が必要となり、膨大な計算量を投入した。これはJHPCN (学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点)のプロジェクトとして認められ、使用ソフトウェアのチューニングと年間100万ノード時間(利用負担金が発生した場合には年額3千万円程度)が使えたために可能となった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 6件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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