研究課題
本研究課題では磁性ナノ粒子が接合・集積した構造体(磁性ナノクラスター粒子)の合成および磁性ナノクラスター粒子が分散したコロイド分散系の磁気粘性(MR)流体としての可能性を調べる。MR流体とは磁性粒子が分散した流体材料であり、磁場強度に応じてレオロジー特性が可逆に変化する。MR流体のレオロジカルな刺激応答性は、人の力触感を伝える装置や人間共存型ロボットなどのソフト・ロボティックスに応用できると期待されている。この磁性粒子に求められる機能として、磁場下では磁場配向して粒子鎖を形成できること、一方無磁場に戻すと磁化が緩和して再分散できることである。本研究ではこれらの条件を満足する磁性粒子として磁性ナノクラスター粒子に着目した。本研究では還元加水分解によるマグネタイト磁性ナノクラスター粒子の合成法を開発するとともに、磁性ナノクラスター粒子の一次粒子径のサイズ制御によって超常磁性ライクな磁気特性を示すことを明らかにした。さらに、磁性ナノクラスター粒子の液中分散系にMR効果が発現することを明らかにし、ソフトロボティックへの応用の可能性が示唆された。また本合成法によって多面体(8面体)のマグネタイト粒子が合成できることも明らかにし、この多面体粒子を用いて別の応用に関する検討も行った。その結果、マグネタイト多面体粒子とカーボンナノ材料を複合化して作製した電気化学センサーに、環境汚染物質の高感度検出の可能性を見出した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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