本研究では,200℃以上の耐用温度を実現するアルミニウム(Al)鍛造合金の開発を目指し,体積率10%以上の金属間化合物相により強化されるAl基超合金の設計を試みた.実用の観点から汎用元素であるMg,Znに着目し,熱力学データベースを利用した計算状態図を基に新たな合金(Al-5Mg-3.5Zn (at.%))を設計した.設計合金は微細析出形態を有する安定なAl6Mg11Zn11-T相により強化され,インペラ使用想定温度200℃にて既存合金を凌ぐ高強度を有することを実証した.また,本合金は良好な室温靭性や高温の良好な成形性を示し,新たなインペラ部材として有望である.
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