研究課題/領域番号 |
17H03412
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
石井 大佑 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60435625)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 構造・機能材料 / バイオミメティクス / 超親水性 / 超撥水性 / 液体輸送 / 微細構造 / 接触角 / 表面濡れ特性 |
研究実績の概要 |
生物表面を模倣した微細突起の配列構造の作製に関しては、1)フォトリソグラフィにより精密に作製した流路で流路機能の原理を解明し、2)三軸走査装置 により多孔配列パターンを形成した基板の鋳型転写法を用いて簡便化・最適化を図る。刺激応答性部位の形成に関しては、感光性分子・温度応答性分子などの刺 激応答性分子の表面修飾(SAM法)、表面化学反応、導電性・磁性・熱伝導性をもつ金属を酸化還元析出(無電解めっき)、蒸着、スパッタリング等により導入する。静的および動的濡れ挙動は、極小接触角計や転落角測定装置を用い、環境制御下での加液・減液や滑落などの液体の動きを評価する。特に、動的濡れ挙動を 流速・流路方向・流量等に関しての指標化を試み、液体分離・液体輸送といった液体操作法との相関が可能かを探求する。 本年度は、フナムシの脚構造を完全に模倣した微細構造の作製と流路機能解析を試みた。フナムシの脚の流路構造は、その幅が500ミクロン程度しかなく、動的 な濡れ挙動を評価することは困難である。そこで、フナムシの脚の突起構造を完全に模倣した微細構造を数cm角で作製し、動的な濡れ挙動の評価、および、その流路機能の解析を試みた。流路機能解析には、垂直に立てた基板を液面につけた際に構造中を流れる液体をモニタリングし、その流速を解析した。フナムシ模倣微細構造はフォトリソグラフィに加え、3軸操作ロボットによる鋳型法より作製し、その配列パラメータや先端形状を変えることで流路を流れる流速を変化させ、動的な濡れ挙動との相関を図った。その結果、 液体輸送速度の向上を実現することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3軸操作ロボットによる鋳型法により、これまでのフォトリソグラフィによる作製では検討不可能だった先端形状や微細構造、配列パターンに関しての最適化を実現できた。
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今後の研究の推進方策 |
鋳型法による先端針の形状を、フナムシの微細突起構造と同サイズにまで微細化することを試みる。微細針は、学内技術設備や外注により設計・作製を行うことで、複雑な構造の作製が可能となる。
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