降温多軸鍛造(dMDF)と冷間多軸鍛造(rMDF)の組み合わせプロセスによって、AZ91Mg合金とAZX61Mg合金の超微細粒化と超々高強度化を試みた。dMDF後にrMDFを施したところ、rMDFの累積ひずみ増加とともに結晶粒径は減少し、同時に引張強度は増加した。そして、AZ91Mg合金とAZX61Mg合金でそれぞれ最大引張強度580MPaと520MPaを達成した。これらは、希土類添加型銅合金の強度400MPaよりはるかに大きかった。dMDFとrMDFの組み合わせプロセスによる歩留まり(成功率)が高く、プロセスそのものは優れていることが示された。しかし、目標の700MPaには達成できなかった。この結果は、dMDF中に生成したβ相が変形双晶の発達を阻害し、結晶粒の超微細化を抑制したことによると判断された。したがって、rMDF前のdMDFは組織微細化と強度上昇にややネガティブな効果をもたらす、と結論された。超微細粒AZ80Mg合金の超塑性を利用した温間押出により、中空管を得て、最大引張強度414MPaを達成した。
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