従来から知られている拡散型の等温(熱的)ω変態および無拡散の非熱的(非等温)ω変態とは異なり、室温近傍での時効によって無拡散で時々刻々と変態が乗じる「無拡散等温ω変態」と名付けた新たな相転移を発見した。さらに、無拡散等温ω変態は、熱ゆらぎによって生じる統計的な合金組成のゆらぎが室温で凍結された凍結合金組成ゆらぎによって引き起こされる特異な相転移であることも明らかにした。加えて、無拡散等温ω変態の変態速度における熱活性化過程の詳細を明らかにした。すなわち、本研究成果の最も重要な学術的意義は、新たな相転移を発見し、その相転移のメカニズム(相転移の熱力学と速度論)を解明したことである。
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