研究課題/領域番号 |
17H03418
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
駒崎 慎一 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (70315646)
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研究分担者 |
田淵 正明 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, グループリーダー (60354239)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | スモールパンチクリープ試験 / 微小サンプル試験 / クリープ / き裂進展試験 / 破壊力学 / 耐熱鋼 / 経年プラント / 余寿命評価 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、下記ニーズに応えるため、スモールパンチクリープ試験法をベースに、微小平板試験片によってクリープき裂進展特性、特にき裂発生初期の進展特性を正確に評価するための新しい高温破壊力学試験法を開発する。さらには、本技術を9-12%Cr先進耐熱鋼の溶接継手部に展開し、超々臨界圧(USC)発電プラントの余寿命診断技術あるいは破壊リスク評価支援技術として確立する。 [1]今後、火力発電プラントにおいてもき裂進展特性評価に基づいた余寿命評価が重要となる。[2]実機長期使用材では、組織の劣化や微視損傷の発生によりクリープき裂の発生や成長が加速されるため、実機より実際に切り出した微小サンプルを用いた高温破壊力学試験が必要である。[3]9-12%Cr先進耐熱鋼の弱点である“Type IV損傷”を正確に評価する技術の確立が急がれている。 平成30年度は、平成29年度に新たに設計・試作したクリープき裂進展計測用SPクリープ試験装置を用いて、高Crフェライト系耐熱鋼(Mod.9Cr鋼)およびA-USC用Ni基合金(Alloy617)を対象として、まずはSPクリープデータを種々の試験条件下において取得した。加えて、SPクリープ特性に及ぼす冶具形状・寸法等の影響を実験と有限要素解析によって系統的に調査した。その後、放電加工によって半径方向と円周方向の異なる方向に予き裂を導入した2種類のき裂進展計測用SP試験片を新たに設計・製作し、SPクリープき裂進展計測を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
クリープき裂進展計測用SPクリープ試験装置の設計・試作に多くの時間を要し、き裂進展計測用SP試験片の製作方法とき裂長さ計測方法の確立をはじめき裂進展特性に及ぼす試験条件、試験片形状および治具形状等の影響に関する調査が遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度に引き続き、耐熱鋼(Mod.9Cr鋼)とNi基合金(Alloy617)を対象として、半径方向と円周方向の異なる方向に予き裂を導入した2種類のき裂進展計測用SP試験片を用いてクリープき裂進展データを取得・拡充する。併せて、SP試験における高温破壊力学パラメータを開発するために、CT・CCT試験片による標準試験データと比較し、有限要素法によるき裂先端の応力・ひずみ解析と従来パラメータの適用性検討およぶそれらの改良を行う。
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