研究課題
Ti-29Nb-13Ta-4.6Zr(TNTZ)の酸素(O)含有量を0.12 (酸素無添加:TNTZ)、0,3(TNTZ-0.3))および0.7 (TNTZ-0.7)mass%と変化させた場合、引張応力―歪曲線で酸素量の増大と共に降伏現象が出現し、最も酸素含有量が高いTNTZ-0.7になると降伏現象が明確に認められ、歪速度を増大させると降伏応力が増大した。この現象は、TNTZでは認められず、TNTZ-0.3以上の酸素含有量で明白になり、降伏後の応力の低下率が酸素含有量が高いほど大きくなった。以上から、TNTZ-0.3およびTNTZ-0.7につき、低歪速度での降伏前、降伏直後および降伏後の試験片表面での変形挙動を観察し、試験片破断後の透過電子顕微鏡(TEM)組織観察を行ったところ、酸素含有量が高いTNTZ-0.7の方が降伏直後での転位の増殖がより著しかった。また、破断後の試験片のTEM観察では、TNTZ-0.3では転位が無秩序で、かつ転位が多く認められる個所とほとんど認められない箇所とがあり、転位の分布が極めて不均一であった、一方、TNTZ-0.7では、転位が秩序化しており、全体に均一に分布していることがわかった。以上のことから、TNTZでは、単なる酸素原子の転位の固着よりもさらに強い酸素に関する転位の固着、すなわち酸素原子クラスターあるいは酸素原子と他の構成原子とのクラスターが形成され、より転位の固着を強固にしたと推定される。これにより、歪速度が大きい方がより降伏強度が増大し、その後の転位の移動が早まるが転位密度が高いことから、伸び(均一伸び)の低下が起こらず、むしろ増大する傾向になったと推定される。通常のTEM観察および高分解能TEM観察等を1月および2月まで行う計画となったため、新型コロナウイルス感染症の問題が勃発し、当初の計画通りに本研究を進めることができなかった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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