研究課題
令和元年度の計画では、アルミニウム合金板の成形シミュレーションを高精度化するに資するデータを提供できるようにするために、次の2つの目標を掲げた。(1)ニューラルネットワークを用いた深層学習により、アルミニウム合金の様々な種類の集合組織から応力-ひずみ曲線を推定可能とすることを目指した。(2)データ同化とマルチフェーズフィールド法を融合した再結晶組織予測手法を発展させるとともに、この手法を普及させる方法としてオープンソースコードの開発、web公開を目指した。令和2年5月末現在の実績として、上記(1)は計画通りの成果を得た。アルミニウム合金板の典型的な集合組織である再結晶集合組織であるCube方位とGoss方位、変形集合組織であるS方位、Copper方位およびBrass方位を含む集合組織データを生成可能なアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムにより生成した集合組織データに対して、結晶塑性有限要素法に基づく数値二軸引張試験を実施し、その結果を深層学習による学習データとして蓄積した。蓄積した学習データを用いて深層学習を行い、アルミニウム合金板材の集合組織データから応力-ひずみ曲線を数値材料試験と同じ精度で予測できることを実証した。この研究成果は、複数の学会発表、学術論文で公開した。上記(2)は、一部未達の部分を残した。平成30年度までに開発したアンサンブルカルマンフィルタ(EnKF)を用いたデータ同化手法のみならずアンサンブル平方根フィルタ、粒子フィルタ、融合粒子フィルタ、局所アンサンブル変換カルマンフィルタを用いたデータ同化計算が可能となった。これにより、再結晶粒成長の情報から、高精度な再結晶組織予測に必要なモデルパラメータの推定が可能となった。これらの研究成果も複数の学会発表を行った。上記の各種データ同化手法は、Pythonライブラリ化を目指しており、web公開を目指す。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 4件) 備考 (1件)
塑性と加工
巻: 709 ページ: 48-55
https://doi.org/10.9773/sosei.61.48
Materials Today Communications
巻: not decided ページ: accepted
not decided
http://web.tuat.ac.jp/~yamanaka/index.html