研究成果の概要 |
金属板材の成形シミュレーションにおいて, 板材の変形挙動を正確に予測するためには, 多軸応力試験の結果に基づき材料モデルを同定する必要がある. 本研究では, 結晶塑性有限要素法を用いた多軸応力試験の数値シミュレーションと深層学習を用いて, 材料モデリングを効率化するとともに成形シミュレーションを高度化することを主な目的とした. 深層学習により訓練したニューラルネットワーク(NN)により, アルミニウム合金板の集合組織データから二軸引張変形時の応力-ひずみ曲線を高速に推定することが可能となった. さらに, 訓練済みNNを用いて, 集合組織データに基づく材料モデリングを可能とした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果を公開し, 一般に利用できる環境を構築することを目指して, ①アルミニウム合金の擬似集合組織の生成と②極点図による可視化, ③訓練済みDNNを用いた応力-ひずみ曲線の推定, ④等塑性仕事面の可視化を可能とするWebアプリケーションを開発した. このアプリケーションでは, 上記①~④の全てをWebブラウザ上で実行可能であり, 多軸応力試験機や結晶塑性有限要素法のソースコードを所有しない場合でも, 材料モデリングに必要な情報を得ることが可能となり, 成形シミュレーションの高度化に寄与すると考える.
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