研究課題
(1)「酸化物を硫化物へ高速に安価に硫化する方法の開発」炭素と硫黄ガスの組み合わせ、もしくは二硫化炭素液体からの気化ガス、を高温の酸化物に作用させたところ、酸化チタン、窒化チタン、イルメナイト、酸化ネオジム、酸化スカンジウムはいずれも硫化物に転換出来た。ガス流量や時間によらず温度が大きく寄与する。これは、CS2ガスの熱分解が熱力学的平衡状態に有ることを示し、硫化物の化学量論組成からのずれとも対応した。シリコンにも顕著な硫化物生成促進効果があり、SiS2が高純度で得られた。とりわけ、窒化チタンは炭素汚染の懸念のある二硫化炭素ガスではなく、ガス流通系で二温度帯炉でイオウ単体を揮発させて硫化が可能で、高純度硫化物製造法として大いに幅を広げた。(2)「硫化物を金属に還元する溶融塩電解還元の基礎調査」固体硫化物の金属Caによる還元に成功した他、その還元反応を溶融塩中でも同様に生じさせることに成功した。(a)作製した硫化チタンを還元し、イオウをほぼ完全に除去した金属チタンを得た。 (b)硫化バナジウムの電解還元に取り組み、低硫黄濃度の純バナジウム金属粉末の製造に成功した。とくにCaCl2-LiCl共晶の組成で還元を試み、反応温度を250℃も低下させた。これは反応時の消費熱エネルギーを低下させる。(c)酸化物が極めて安定なネオジムとスカンジウムの硫化物をCa還元により、それぞれの金属合金を得た。合金から生成する方法を模索している。(d)比較的低温で作用する溶融塩で、硫化ビスマスおよび硫化鉛の還元を準備しCa還元を実証した。また溶融CaCl2を用いた電解還元にも成功した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (2件) 産業財産権 (1件)
Journal of The Electrochemical Society
巻: 167 ページ: 102507~102507
10.1149/1945-7111/ab9961
International Journal of Minerals, Metallurgy and Materials
巻: 27 ページ: 1635~1643
10.1007/s12613-020-2162-5
MATEC Web of Conferences
巻: 321 ページ: 07003~07003
10.1051/matecconf/202032107003
Metallurgical and Materials Transactions B
巻: 52 ページ: 77~87
10.1007/s11663-020-01988-5