バイオマスガス化の高効率化に向けて、その反応機構の解明につながる、反応予測手法やバイオマスガス化で発生する多成分混合ガスの計測手法に関する一連の研究を実施した。主たる成果は次の通りである。(1)元素組成のみを入力情報とするリグニンの包括的詳細化学反応速度モデルを初めて構築し、このモデルによって初期熱分解から二次熱分解にわたるリグニンの熱分解を定量的に予測できることを示すとともに、予測精度向上のための指針を示した。(2)Li+イオンを使うイオン付着質量分析法を固体燃料熱分解で発生する揮発成分のリアルタイム定量分析に初めて適用し、多成分混合物である揮発成分のフラグメントフリー計測に成功した。
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