研究課題
可視光応答型光触媒を物質変換に適用した研究は、水分解や環境応用研究と比べると非常に少ない。当申請者らは、プラズモニック光触媒をはじめとする各種光触媒の設計・合成とこれを用いる高難度物質変換反応の開拓を行ってきた。本研究では、申請者らの研究成果を最大限活用し、1)高難度選択的物質変換、2)自然エネルギー(光・熱)の利用、3)流通法による連続生産【気相および液相流通型光触媒反応器】、を研究キーワードに掲げ、この高難度な研究に挑戦した。平成31年度(令和元年度)は以下の成果を得た。【1】アルコール溶媒中におけるアミンオキシド類の光触媒的脱酸素反応を検討した。水素源としてバイオマス由来化合物を使用することを検討した。本系には熱加速効果があること、太陽光利用実験により太陽エネルギー(光および熱)を効率的に利用できることを明らかにした。かく拌などの外的なエネルギーを一切加えないパッシブな条件においても、本反応が進行することを明らかにした。【2】メチルアミン(MA)を水素源としたm-ニトロアニリンの光触媒的還元反応において、m-フェニレンジアミンが高収率で得られた。MAの酸化挙動も追跡し、廃棄物であるMAを水素源として利用し、同時に無機化できることを明らかにした。【3】パラジウム(Pd)/TiO2に異種金属として銅(Cu)シェルを導入した光触媒(Pd@Cu/TiO2)を調製し、アルキンの部分水素化反応を行ったところ、Pd@Ag/TiO2光触媒は高い化学選択性に加え、活性水素種の利用効率が高いことが明らかになった。【4】ストロンチウムイオンドープ酸化セリウムの伝導帯位置を制御し、これを金(Au)の固定化材料として用いることにより、Auプラズニック光触媒の還元ポテンシャルを見積もることに成功した。本研究は、自然エネルギーを主な駆動源とする低エネルギー消費型化学工場への道程の第一歩となる。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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