• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

機能分子を導入する細胞マイクロアレイ技術の創成

研究課題

研究課題/領域番号 17H03472
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

藤田 聡史  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 副ラボ長 (00392655)

研究分担者 境 慎司  大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20359938)
戸井田 力  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (40611554)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード細胞マイクロアレイ / デリバリー / タンパク質 / ゲノム編集 / ヒドロゲル
研究実績の概要

本研究では、機能分子を固相表面から細胞に導入する高密度、高精度、世界初の「機能分子を導入細胞マイクロアレイ技術の創成」を目的として研究を進めた。
タンパク質について、表面電荷の違いによってポリイオン高分子との複合体との最適な混合比が異なるため、βガラクトシダーゼ、リコンビナーゼ、2種類のゲノム編集酵素を用いた条件検討を行った。タンパク質を含むポリイオン複合体を作成し、アレイ状にガラス基板に固相化し、タンパク質導入に最適な物質を決定した。複合体の表面電荷を測定し、電荷や複合体のサイズと細胞内へのデリバリの関係を測定し、導入条件を最適化した。また、細胞のどの場所にデリバリされているかについて、共焦点顕微鏡を用いて確認を行った。
βガラクトシダーゼ及びリコンビナーゼは安定性が非常に高く、高効率でヒト細胞内に導入される事を確認した。リコンビナーゼは高いゲノムのリコンビネーション活性を示し、プリントした表面に結合した細胞のみリコンビネーションされる事が確認された。ゲノム編集酵素であるZFNを細胞に導入は、ゲノム編集効率が低く1%程度に留まった。また、ゲノム編集酵素(Cas9)の細胞導入条件の検討も行い、最適条件を決定した上で、Cas9をアレイ化した細胞アレイ作製した。こちらについては、高効率でゲノム編集を起こすことができる最適条件を決定する事ができた。細胞マイクロアレイ上に固定化されたポリイオン複合体の安定性の検討も行った。結果として、1か月以上アレイ化チップ基板上のタンパク質を失活させることなく保存する条件が決定された。
浮遊細胞用の細胞マイクロアレイの作製では、アルギン酸ゲルに加えて他の複数の生体適合性ハイドロゲルでの条件検討も行い、浮遊細胞アレイの作製に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

機能分子を導入する細胞マイクロアレイ技術の開発を行っており、タンパク質、酵素、核酸の導入技術は順調に開発が進んでいる。また、浮遊細胞技術への導入についても順調に進んでいる。一方で、特許化が完了しているものの論文化が遅れている。

今後の研究の推進方策

良好な結果が示されつつあり、特許化が完了しているが論文化が遅れているため、本年度は成果の発表に重点を置きたい。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)

  • [雑誌論文] Macrophage uptake behavior and anti-inflammatory response induced by liposomes containing bovine brain- or soybean-derived phosphatidylserine2018

    • 著者名/発表者名
      Toita, R., Fujita, S., Kang, J-H
    • 雑誌名

      Journal of Oleo Science

      巻: 67 ページ: 1131-1135

    • DOI

      https://doi.org/10.5650/jos.ess18097

    • 査読あり
  • [学会発表] タンパク質トランスダクション細胞マイクロアレイ作製の試み2019

    • 著者名/発表者名
      藤田聡史
    • 学会等名
      最新バイオインターフェース研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 臓器チップ開発の動向と目指すべき方向性2019

    • 著者名/発表者名
      藤田聡史
    • 学会等名
      第401回CBI学会研究講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 経済省の戦略的産業育成~バイオ産業を実例として~2018

    • 著者名/発表者名
      藤田聡史
    • 学会等名
      化学工学会バイオ部会・平成30年度インフォーマルミーティング
    • 招待講演
  • [学会発表] ヒドロゲルドームを配列した浮遊細胞アレイの開発2018

    • 著者名/発表者名
      藤田聡史、藤原央之、戸井田力、田谷正仁、境慎司
    • 学会等名
      第12回バイオ関連化学シンポジウム
  • [学会発表] Cell Microarray for Non-Adherent Cells Encapsulated by Hydrogel Dome2018

    • 著者名/発表者名
      Fujita, S., Fujiwara, H., Toita, R., Taya, M., Sakai, S.
    • 学会等名
      Biointerfaces International 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] Hydrogel dome cell-arrays for non-adherent cells2018

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara, H., Toita, R., Taya, M., Sakai, S., Fujita, S.
    • 学会等名
      BIOSENSORS 2018 28th Anniversary World Congress on Biosensors
    • 国際学会
  • [学会発表] 細胞・組織マイクロチップデバイス~細胞組織の機能解析へのアプローチ~2018

    • 著者名/発表者名
      藤田聡史
    • 学会等名
      第105回ニューフロンティア材料部会例会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi