研究課題/領域番号 |
17H03473
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野々村 拓 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60547967)
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研究分担者 |
芳賀 臣紀 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (30646930)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 超音速噴流 / 先進流体計測 / 高解像度数値流体解析 / 空力音響 / 非定常流体力学 |
研究実績の概要 |
実験観測に関して平成29年度は東北大学に超音速噴流発生装置および無響室の導入を行った.ただし配分予算が削られたため無響室の製作をアルミフレーム,吸音材などの材料を購入して,自らこれらを組み合わせて制作することとなった.超音速噴流発生装置は,既存のタンクなどを利用してこれを拡張する形で製作を行い,予備試験で気流が安定して発生できることを確認した.一方で,自ら行った無響室の製作には時間がかかったため,今年度の超音速噴流の試験が予備試験にとどまっている.しかしながら,年度末にはほぼ完成しており,防音性能,吸音性能が十分であることを確認した.この超音速噴流発生装置および無響室を利用して平成30年度以降,試験に移っていきたい.装置を導入する一方でデータプロセスに関する研究を一部進めた.これまでに開発した周波数領域固有直交分解をジェットのシュリーレン画像に利用して,特徴的なモードがそれぞれの周波数で抽出できることを確認した.この成果を論文に投稿し,採択された.またシングルピクセルの粒子画像速度計測法のアルゴリズムを実装し,過去に取った低レイノルズ数の超音速ジェットの速度プロファイルをこれまでにない高空間解像度で明らかにした.最後に,ホワイトノイズを強く含んだ複数の信号からエネルギースペクトルを正確に抽出する方法を議論して,この方法の理論的な背景の理解と実装を行ってその見通しを立てた.平成30年度以降に,実験データに適用して,その有用性を明らかにしたい.数値解析に関して平成29年度は,複数の超音速噴流の解析を中心に行い,その流れ場の特性などを議論してきた.また,高次精度解析手法の複数超音速流れへの適用を検討して,手法に関しての選定を進めてきた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度は超音速噴流発生装置および無響室の導入を行った.ただし予算が削られたため無響室の製作をアルミフレーム,吸音材などの材料を購入して,自らこれらを組み合わせて制作することとなった.超音速噴流発生装置は,既存のタンクなどを利用してこれを拡張する形で,製作が行えた.一方で,自ら行った無響室の製作に時間がかかってしまい,超音速噴流の予備試験が行えるところまでしか研究が進まなかった.ただし超音速噴流発生装置,無響室ともに十分な性能を持っていることを確認しており,来年度以降円滑に研究が進められるよう努めていきたい.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は実験に関しては,平成29年度にほぼ完成させた超音速噴流発生装置および無響室を用いて,1)まずは無響室のより正確な性能評価を行う.次に2)単一ノズルの超音速噴流の模型を用いて,単一ノズルの場合の超音速自由噴流の流れ場,音響場の測定を行う.最後に3)複数超音速自由噴流の模型を作成して,流れ場,音響場の測定を行う.以上のように順を追って研究を進めたい.数値解析に関しては引き続き検証および解析を進めていく.
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